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国旗、国歌 [気になること]

「道端でタバコをぷかり」
「家の中では裸族」
「卒業式で君が代を歌わない」
「電車内で化粧」

どれもこれも個人の自由と言ってしまえばそれまで。
「個人の自由」というものを強力な武器とでも勘違い
しているのか、強烈にアピールする人までいる始末。
もちろん多少の問題はあることはある。道端での喫煙
は、受動喫煙につながるということで条例で禁止して
いる場所もあるし、裸族は一歩外に出れば当然捕まる。

確かに、日本国憲法19条にだって
「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」
と出ている。「こう思っている」「こうしたい」と
考えるのは全然OKというわけだ。でも、よく考えて欲しい
それぞれ反対の意見や思想を持つ二人がいる場合、
どちらも個人の自由を満喫できるのであろうか?
喫煙は分かりにくいと思うので、裸族や電車内の化粧を
例にするが、そうしたいと思って、個人の自由を盾に
実行するのとほぼ同時に、それを見たくない人は
見たくない自由を行使したいと思うはずだ。
日本国憲法13条には、
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び
 幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に
 反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を
 必要とする。」
とある。「公共の福祉」というと分かりにくいが
要は「自分以外のほかの人の権利」とでも言えばいい。

君が代がイヤとか日の丸はダメとか、そう思うこと
そのものは個人の信条や信念だから何もとやかくは言わない。
人それぞれが、君が代、日の丸についてどう思おうと勝手だ。
教職員だろうと公務員だろうと日教組だろうと勝手に思えば
いい。自分の信条は曲げられないということで、国歌を斉唱
しなかったり、国旗掲揚時に起立しなかったりという行動を
起こすことも自由だったりする。憲法にも保障されている
日本国民の権利だと言ってね。しかし、それは「他人の権利
を侵害」してまではやってはいけないとも憲法に書かれている。

日本の国旗も国歌もそもそもきちんと考えて考え抜いて
作られたのかどうかはわからない。国歌については、
明治時代にイギリスから「儀礼として日本の国歌を演奏したい」
との申し出であわてて、おめでたい歌とかみんなにしられている
歌だと「君が代」の歌を歌詞としたとも言われている。
さらに「君が代」の「君」は天皇ではなく、昔は
「私の尊敬するあなた」だったとも言われている。それが
どこかで都合のいいように解釈されて天皇賛歌になった
らしい。日本国憲法の前文にも書かれているが、もう
日本人としては誰だって戦争はイヤ。平和がいい。
だから戦争に繋がるようなことは避けたいという思いが
あるのは十分分かる。シンボル的なものですらイヤな
人たちもいるだろう。

ここで第一の問題点だが、私としてはもっとも重要視している
問題点でもあることを述べる。

国歌や国旗に不賛成であり、その思想を行動に移すのは
教師にとってすら個人の自由でもあるが、誰の権利も侵害
していないのか? 明確なことだが、卒業式においては
教師や保護者が出席しているのは無論だが、卒業生は出席
をほぼ義務付けられている。別に出席しなくても卒業には
なるが、体調不良でもない限り、生徒は出席することを
望むだろう。そういった卒業式の中で、一部の教師が自ら
の思想の自由を理由に出た行動を、生徒達は勝手に
「見せ付けられる」わけだ。生徒の中には、何も考えて
いない人もいるし、卒業式で感極まってわけがわからな
くなっている人もいるだろうが、冷静な目で、そういう
一部の教師の行動を「見せ付けられた」ことを不快に感じ
ている人もいるはずだ。見たくない自由を行使する隙を
与えられず、半ば強制的に見せられたことになる。完全に
憲法違反だと思う。これを回避するためには、そういう
行動に出る前に教師側は、自分の立場を明確に生徒に示し
卒業式でこういった行動に出ることを宣言しておく必要
があると思う。教育現場と特定すれば、なぜこういう行動
にでなければいけないか、反対の意見はどういうものが
あるのかなど公平で事実に基いた内容を生徒に提示して
おくのがいいとは思う。後は生徒側が卒業式で自分達は
どうするかを考える番になる。教師側を見ないようにする
選択肢もあるだろう。

さて、第二の問題点。これは裁判でも判決が出てきているが
まだ最高裁までは行っていなかったと思う。
国旗掲揚時の起立や国歌の斉唱を、職務上の上司である校長
から、職務上の命令として言われていたのであれば、
公務員として地方公務員法第32条に定められた通り、忠実に
遂行しなければならない。これは、義務である。採用された
時というより、教員採用試験でも出てきたはずです。公立
の一条校の教師なら知っていて当然の法令だ。
職務上の命令とは、職務の遂行についての事柄以外にも、
職務の遂行に関連した合理的な範囲内で必要となる身分上の
義務も含まれる。例えばであるが、たびたび出てくる警察官
の過度の飲酒問題などもその範疇である。
この職務上の命令が正当で妥当なものであるかについては、
・権限ある上司から発せられる命令であること
・上司の職務権限内の事項であること
・実行可能な内容であること
という条件が必要になる。職務命令に重大かつ明白な瑕疵が
ある場合は、無効であるから従う必要はない。明らかに法律
を破るような命令とか人命を損なうような命令などは、
従う必要はないということ。

教職員たちが、校長が起立しろと言った命令は職務上の命令
にはあたらない、もしくは、職務命令に瑕疵があると思って
いて起立しなかったのであれば、命令に瑕疵があったと
誰かに客観的に判断してもらう必要が当然ながら出てくる。
ところが、今現在の裁判では、この斉唱・起立についての
命令は、合憲であるという判断が下されている。つまり、
瑕疵はなく、ごく普通の職務上の命令と客観的に判断された
ということ。この命令に従わなければ、もちろん、懲戒処分を
下される。
別にこれまでの裁判所では、個人の信条や信念を阻害する
うんぬんと言う部分を論点にしているわけではない。
単に職務上の命令が妥当かどうかということと再雇用時に
懲戒処分があることで著しい不公平が行われたのかということを
論点にしただけ。
さらに公務員には、「信用失墜行為の禁止」というものがある。
地方公務員法第33条に
「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の
 不名誉となるような行為をしてはならない。」
と規程されている。この不起立・不斉唱問題も信用失墜行為の
ひとつでしょう。この教師たちは、日ごろからそういうことを
言ってるかは知りませんが、言わずにいきなり卒業式や式典で
やったとすると、見ている児童・生徒・保護者は、
「先生なのに、みんながちゃんとやる所でちゃんとやってない」
と思う。これは、教師という職業についている他の人たちの
イメージを壊す行為そのものであると思う。「先生なのに」って、
本来なら先生は児童・生徒のお手本とならなければならない。
これは何も授業中や学校にいるときだけではないのです。
多分、どこの教育委員会ででも、採用時や研修などで、
児童・生徒や保護者からあまり教師らしくないと思われる行動を
とらないようにと訓示されているはず。それを卒業式や式典など
のハレの場で「教師らしからぬ」ことをしたわけです。
信用失墜行為としても懲戒処分を受けるに値すると思います。

最後の問題点は、教育的観点から。
高校生に対して、事前にきちんと教師が
「こういう立場にいるので、起立しないし、歌わない」
と言っているなら、まだ分かる。高校生なら多少は物事の考え方の
多様性も分かるだろうし、歴史的な背景なんかも含めて自分達で
調べもできるだろうし。

しかし、学校の式典でいきなり教師がこういった行為をした場合、
それをみた児童・生徒はどう思うのだろうか?予備知識もいっさい
ない状況で、立たない、歌わない先生を見て。「勝手なことしても
いいのかも?」と勘違いするような児童・生徒も中にはいるのでは
ないか?集団の中で規律を守ることを学校教育では教えて
いるはずだが、その規律を教師自らが守っていないと知った
生徒はどうでるか。もちろん、集団が間違っている場合だって
ある。その場合こそ自分の思想にもとづいて行動していい。
だが、それ以外の場合はダメだと明確にしておくべき。
教師は、そのすべての言動を児童・生徒に見られている。
そしてその言動は少なからず影響を及ぼす。

私立学校やインターナショナルスクールなど一部の学校で
国歌や国旗に影響をまったく受けないという指導をしている
ところがあるかもしれないが、その学校へは、保護者がそれも
含めて容認してるから子供を通わせている。(または子供も)
でも、公立の学校では、そういう思想的な問題は偏っては
いけないのではないか? 偏ってはいけないからこそ
教師の中にも不賛成の人がいていいのだという意見もある
とは思う。それはそれで正しい。でも、それならば、きちんと
態度や行動だけでなく、子供や保護者に事前に伝えて欲しい。
「こういう意見も世の中にはある。他の意見もあるが、自分はこう」
と宣言してからやって欲しい。

もっとも、事前に宣言したり準備できたとしても、実際の
卒業式では、マスコミや保護者や教育委員会などから、事前に
強制排除されてしまうと思う。でも、そういう事前の宣言こそが
教育的には正しいと思う。

つけたしとですが、
職務命令に従わなかったが故の懲戒処分になるのは法律的にも
妥当だということですが、その処分の程度ってのがどうなの?
というものがあります。訴訟を起こした教師たちは、定年前も
不起立とかやってたんでしょうか?

仮定の話で申し訳ないですが、もし、定年前もやっていたので
あれば、再雇用の際に「次はちゃとして」と言われたと思うん
ですよ。懲戒処分が繰り返されれば、それは処分は重くなると
思います。定年前はちゃんとできていたというのなら、採用
取り消しというのは、少し酷かもしれませんね。
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ロク

私も同意見です。
by ロク (2010-02-26 21:01) 

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